福井でテオ・ヤンセン展をやっていると聞いて行ってきた。正直テオ・ヤンセンと言われても一切ピンと来なかった。砂浜で動くやたら複雑なアレの映像をCMで見て「アレの人か!」と急に行きたくなったのだ。平日昼時に行ったため混雑状況等は当てにならないとだけお断りしておく。平日昼間はそれはもう快適でした。
機能:歩行
見た瞬間に「あぁ!」となるインパクトである。これらの実物が15作品も展示されている。さらには作成の材料や道具まで展示されており見どころは多い。「リ・アニメーション」とよばれるデモンストレーションと合わせてたっぷり2時間ほどウロウロしていた。それなりに不審だったように思う。
そもそもテオ・ヤンセンとはという話だが、パンフレットによるとオランダのアーティストらしい。
”風を受けて生きているように動くアート作品「ストランド(砂浜)ビースト(生命体)」が世界的にも高い評価を受け~(中略)~ストランドビーストは1990年代はじめに、物理工学を基盤とした滑らかで有機的な動きをする生命体として、故国の海面上昇問題を解決するために生み出された。作者亡き後も自立して砂浜を生き延びることを目指し、ストランドビーストは歩行、方向転換、危険察知などの機能を備え、さまざまな環境に適応していくためのシステムを獲得していく。”
「風で動くなんかスゴイやつ」ぐらいの認識だった自分が恥ずかしくなる。テオ・ヤンセン氏にとっては本気で生命体なのだ。うねうねする動きも納得である。
機能:歩行
機能:歩行、空気の貯蔵、尾を振る、ハンマーで杭を打つ、水感知、方向転換
機能:歩行、空気の貯蔵、水感知
アニマリス・ペルシピエーレ・エクセルサスは空を飛べるわけではない。ぶら下げられているだけだ。パーツを移植されテオ・ヤンセン氏いわく「死んだ」状態らしい。
太字で機能を書いて見たが、私の思っている以上に高度な「生き物」だった。
「歩行」はまだわかるとして、「空気の貯蔵」は炭酸飲料用のペットボトルに空気を圧縮して貯蔵、風のないときの動力源とするものだ。「尾を振る」は文字通り尾を振り存在をアピールして「繁殖」につなげるもの。「ハンマーで杭を打つ」は強風の際に自らの身を守る行動だ。「水感知」は地面に垂らしたホースから水が入ると停止し海に入ってしまうのを防ぐ。「方向転換」は危険を感じたら反対方向に歩き出す。これらをコンピュータや電気を使わずアナログな仕組みだけでやってのけているのだ。
機能:歩行、空気の貯蔵、尾を振る
近くでまじまじと見るとその複雑さがわかる。圧縮空気を貯めるペットボトルとそのエアー回路が張り巡らされている。デモンストレーションでは主に圧縮空気で動かしていたため工場の設備のようにプシュプシュと音を立てていた。
機能:歩行、水感知、空気の貯蔵、方向転換
個人的に一番カッコいいと思うのはコイツである。エアロダイナミクスを考慮された車のようなルックスでしかも強そうではないか。乗れるならコイツに乗りたい。一つ欠点があるとすればこんなルックスなのになんだかイメージと違う方向に歩くことだろうか。
テオ・ヤンセン展。ハマる人も多いと思う。私はプラモと缶バッジまで買ってしまった。福井でやっているうちに一度行ってみることをオススメする。
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