私はたこが好きだ。イカも好きだ。どっちかというとたこが好きだ。たこを食べない国に生まれなくてよかったと思う。独立生計で驚くのがウインナーとたこが高級品だということだ。道理で実家でたこ料理を食べた記憶がないわけだ。たこ焼きとパック寿司ぐらいだろうか。そんな男があるとき居酒屋でたこ天をたべた。サクッとしてプリッとしてそれは衝撃的だったという。
四国からの帰り、2018年は中国地方経由だった。一部事故渋滞していたものの、景色よく気持ちいいしまなみ海道(西瀬戸自動車道というらしい)のPAで少し遅めの昼食となった。
たこ天丼!これしかない!と即決。他のおっさん2名は担々麺とラーメンだった。ご当地とか名物には興味がないご様子。それよりもたこ天だ。しかも丼だ。
ぶつ切りたこ天に甘めのタレ、そんで紅生姜。紅生姜とか刻み海苔って独身の家にはめったに無いのでなんだか嬉しくなる。当然プリプリで美味しかった。こういうメニューについてる甘いたくあんも好きだなと書いていて思った。実家のたくあん大嫌いだったのに。福井の一部で食べられるたくあんの煮物、正式名称「たくあんの煮たの」のトラウマだと思っている。台所から家中、果てはご近所まで漂う表現できない悪臭(好きな人ゴメンナサイ)と美味しそうに食べる祖父が今も脳裏をよぎる。実家のたくあんはもう一生克服できない気がする。
その点たこは安心だ。不味いたこに出会ったことがない。あのベア・グリルスさんも難破船の中でたこを捕まえてかじっていた。不味いとは言っていなかったように思う。だからかわりにたこを愛していようと思う。愛してるよ!このタコ野郎!
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